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2006.05.10

四国へ 5 〜@高知

平成18年3月29日午後2時頃、母方の祖父行義、高知にて死去。享年93歳。

高知駅についてすぐタクシーに乗り込み斎場へ向かった。午後6時前、ちょうどラッシュがはじまる頃。車はのろのろと動いている。お通夜が始まるのが6時、間に合うかどうかと3回目くらいに時計を見たとき、車は斎場に到着した。

荷物を親族用の部屋に置いて、通夜が執り行われる部屋に急いだ。部屋に入るのと、場内のみんなが起立するのが同時だった。

淡々と式は進む。

通夜、お葬式に出るのは3回目だ。最初は父方の祖父、次が大学時代の友人、そして今日。大学の友人の時はさすがに辛く、涙や怒りのような感情まで吹き出た、そして「どうして・・・なぜ」そんな自問ばかり。
しかし、今回はそんな強い感情は出ない。悲しさや喪失感はあるが、それ以上に、会場に「ごくろうさま、ゆっくり休んでね」という穏やかな雰囲気が流れていたせいだろう。世の中には順番がある。時間という誰も止められない流れの中で、生まれ、育ち、老い、そして還る。その順番に従うのならば、摂理に抗うことなく、穏やかに送り出すことのほうが大事だと思う。もちろん、そこに残る悲しさは変わらないけれども・・・。

ぼくが生まれたとき祖父はすでに高知だった。数年に一度祖父の方から長崎に来てくれて会うということはあったけれども、ぼくがはじめて高知を訪れたのは大学3年の頃だ。そんなこともあって、ぼくが持っている祖父の印象は電話で話した声の印象が強い。入学、卒業、節々には電話で報告していた。老齢だった祖父は優しい声で「そうかえ、そうかえ」と応えてくれていた。そのイントネーションは今も憶えている。

最後に、会場係から僧侶の方にマイクが渡された。なんだろうと思っていると、僧侶の方が子どもの頃の祖父との思い出を語りはじめた。調教師だった祖父が育てていた馬に触らせてもらったこと、その時の優しくも強い声、・・・。異例のことに驚いていたが、祖父の人望がわかる話だった。普通、僧侶の方からそんなお話しを頂くことなんてないのではなかろうか。もちろん、こちらから僧侶の方を選んで来てもらったわけではないのに。

斎場の部屋の関係もあって、ぼくと両親とは祖父の家に泊まることになった。最後に祖父にお別れをして、叔母の車で両親とともに送ってもらう。案内された部屋には仏壇があり、きれいな桜が枝ごと飾ってあった。お通夜の日に「桜」という組み合わせに少し不思議さはあったが、どの花も綺麗に咲いていて、しばし目を奪われた。060330_gandpacherry

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